ちゃんとした白い歯と、とりあえず白い歯


昔の保険でやった処置を健康的に治されたいと、ご来院されました。


樹脂や銀歯を除去していきます。特に保険の樹脂の下は銀歯より虫歯が大きいことが多いです。

ダイレクトボンディグによる歯の修復を行います。
ラバーダム防湿と顕微鏡の使用が最低限必要です。歯を延命させるための細かい手技を確実に行います。

神経がないため症状も出ず発見されなかった虫歯の除去と感染している根の中を消毒し、精密根管治療を行います。

その後、歯の土台を立てます。
これらの一連の流れもラバーダム防湿と顕微鏡の使用が最低限です。


顕微鏡を使用した感染除去と適切なマテリアルの選択による歯の剛性の回復がなされました。
before

after

4本の奥歯が白く改善しました。マテリアルは違えども全てラバーダム防湿を行い、治療が行われています。
現在の世界情勢による金属の高騰と合間って、保険の白い歯も色々解禁され、とりあえず、保険でも安易に歯を白くすることができる様になってきました。
『とりあえず保険で銀歯を白くしませんか?』という甘いセリフが2022年4月から様々なクリニックで呟かれる様になるでしょう。
今後は、適応症でないと分かっていても、銀歯なんか入れていたら客が来なくなるから、とりあえず保険で白い歯を入れるという流れでしょう。
しかし、金属材料と違い、有機材料や複合材料の使用はとても繊細に取り扱わなければいけません。虫歯の除去や歯への接着、根の治療において最も重要な、ちゃんとやると時間がかかるラバーダムや顕微鏡は今後も時間のかけられない保険の処置ではちゃんと使われる事はないでしょう。
また、保険の白い歯は、削る量は銀歯より遥かに多く、プラーク(細菌)は銀歯より付きやすい、知らない間に歯の神経が死んでいる、歯の摩滅は銀歯より早い、強度は弱い、歯が割れる原因になる、心ない安易なCADCAM冠やCADCAMインレーの処置は今後ますます、日本人の口の中を崩壊させていくと思われます。

上の写真は銀歯よりもぶかぶかな保険の白い被せものの縁から感染を起こし、歯茎の中のばい菌がたまり、根も感染し、抜歯になった歯になります。
今後、しばらくすると銀歯を入れてた時代より難症例(再治療が困難な症例、歯を残すのが困難な症例)が増えてくると予想されます。(現在、根の再治療において、金属コアより遥かに除去困難なファイバーコアが保険適応になって難儀な症例が増えたのが良い例です。また、保険のレジンの完全除去も大変困難であります。)
リスク 極端に硬いものを噛むとかける可能性があります。
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