当院の歯科ドック
(口腔精密検査)について

「今の状態が非常にまずいと何となく分かっているが、以前の歯医者では明確な納得する説明がなく、どこから何を手をつけて良いのか分からず悩んでいる…。」
そうしたお悩みを抱えた患者様が困り果て、当院にご相談に来られます。当院では綿密なカウンセリングを行い、『口腔精密検査による総合診断』のもと、患者様お一人おひとりのご希望やライフステージに合わせた最適な口腔改善をご提案することが可能です。
「口腔精密検査」と「保険の歯科検診」の違い
①保険適用の検査項目
- パノラマレントゲン(1枚)
- 歯周病基本検査(28箇所)
- 口腔内写真(5枚)
- 虫歯検査(視診・パノラマ)
※保険適用の検査項目は、症状により変更されます。
②口腔精密検査項目
- 精密レントゲン(12枚~)
- 歯周病精密検査(168箇所)
- 口腔内写真(11枚~)
- 虫歯検査(視診・精密レントゲン)
- 模型検査
- 噛み合わせ検査
- バイトアイ(咬合接触状態の解析)
- デンタルプレスケール2(咬合力分析)
- グルコセンサー(咀嚼能力の測定)
- 顎関節検査
- 審美検査
- CT検査 ※必要に応じて
- 口腔がん検査(バイオスクリーン)
- 唾液検査(虫歯リスク/歯周病リスク測定)
- デントカルト唾液検査
- 口腔細菌検出装置(P.g.菌の検出検査)
- アミラーゼテスト(唾液からストレス測定)
- 発音検査
- カンジダ検査
- バナペリオ(歯周病菌の検査)
- サクソンテスト(唾液量の検査) 等
※患者様の症状に応じて、最適な検査を行います。
上記のように検査項目をご覧いただくだけでも違いは一目瞭然です。
保険適用の検査は「痛い・腫れた・取れた」など既に起こってしまった疾病に対する大まかな検査しか項目がないため、得られる情報は少なく、そもそもの原因の究明にまで至りません。
よって保険診療では、「結局、原因が分からなかった」、「同じ症状や再治療を繰り返している」という方が多くいらっしゃいます。
再発を防ぐ原因療法
一方、当院の口腔精密検査(歯科ドック)では、痛い・腫れた・取れたなどの症状がそもそもなぜ引き起こされたのか、その根本的な原因を明らかにします。
お口の問題は、細菌感染、噛み合わせ、唾液の質、セルフケアの質、食習慣など様々な問題が複合的に起こり、結果として穴があくという現象(虫歯)や歯茎の腫れ・痛みとして現れます。
しかし、一般的に行われている保険適用の検査や治療は、目に見える表面的な部分のみに留まり、目に見えない原因菌の除去、お口全体のバランスまで考えた治療は行われないことから、再治療を繰り返すことになるのです。
このような場当たり的な“対症療法”ではなく、当院では科学的根拠に基づき、二度と再発させないよう根本から改善をはかる『原因療法』をご提案します。
将来的な疾病の予防
当院の口腔精密検査は、まだ自覚症状のない体の異常を見つける人間ドックと同じように自覚症状のない歯の異常を見つける「歯科ドック」としての役割も果たします。
「細菌検査」「噛み合わせの検査」「被せ物等の適合検査」「口元の審美性検査」などを通じて、患者様の体質や生活習慣、自覚症状はないがすでに発生している問題を分析し、保険による検査で行うことができない「将来的に起こりうる疾病の予防」まで考慮した総合診断が可能です。
そして、それら検査結果の資料と充分なカウンセリングで得た情報をもとに、生涯にわたる健康維持を見据えた最善の治療計画、最適な予防管理プランを練り上げご提案いたします。
歯科ドックにおける虫歯菌検査
虫歯や歯周病は「細菌感染」との戦いになります。唾液を解析することでお口の健康状態を把握し、問題がある場合は、その部分を改善することで虫歯や歯周病リスクを抑えることが可能です。口臭改善も期待できます。
当院では、「CAMBRA(キャンブラ)」システムを導入し、患者様一人ひとりの虫歯リスクと効率的な予防方法をご提案しております。
CAMBRA(キャンブラ)は、歯科先進国アメリカでは広く普及しており、新時代の虫歯予防システムとされます。
お口の中の虫歯菌の活動性や、唾液量、生活習慣などを評価し、虫歯リスクを判定・見える化を図ります。その結果に基づき、必要な治療や予防管理、適切なセルフケア方法についてご提案することが可能となります。
虫歯菌は常在菌の一つのため、どれほど精密な歯の修復を行なった場合にも必ずしも虫歯菌がゼロになるわけではありません。
しかし、生活習慣やセルフケアの改善と除菌、細菌の付着しにくいマテリアル(薬剤や材料)、歯と詰め物の段差などの細菌の住処を作らない事によって細菌の繁殖を最小限に抑え、再度虫歯にならないように綿密な治療計画を立ててまいります。
歯科ドックにおける歯周病精密検査
歯周病によって、ひとたび組織破壊が始まると元に戻すことが困難になります。組織破壊が起こってから評価していては遅いのです。
そのため、保険の検査で行なっているような歯の数カ所を触って組織の破壊の程度を図るだけでは最適な予防にはなりません。
当院の精密検査では、プロービング検査(歯茎の溝の深さの測定)による組織破壊評価に加えて「細菌検査」と「咬合検査」を行います。この2つを加えることで、組織が破壊される前に予防介入が可能になります。
また、歯周病は細菌が大きな原因であり、口の中の菌のバランスが崩れることで様々な歯科の病気を引き起こします。
そこで「バナペリオ」という検査機を用いて歯周病の原因菌であるPg菌、Tf菌、Td菌の細菌数を評価します。これにより、歯周病菌が支配的な状態になっているかどうかの評価が可能となります。
さらに「オルコア」を用いてPg菌のPCR検査を行います。Pg菌は歯周病原因菌の非常に凶悪な細菌になります。
しかし、現在の歯科では、きちんと対応すれば数を減らし、改善をすることが可能です。致命的な状態になる前に対応すべき細菌となります。
歯科ドックにおける咬合(噛み合わせ)検査
咬合の精密検査では「歯周組織が破壊されるリスクのある箇所」を検出します。噛み合わせの不良は歯周病の増悪因子となるため、歯型を採取して模型を作り、咬合器に装着することで評価する必要があります。
しかし咬合に関してはその特性上、これまで確固たるエビデンス(証拠)が少なく、長らく歯科業界ではブラックボックス化している側面がありました。
当院では、この「咬合(噛み合わせ)」についてデジタル化し、可視化を行なっています。
デジタル機器を用いて咬合状況を綿密に把握し、その方に合った治療法を考える事が可能となりました。口腔精密検査では「デンタルプレスケール」にて咬合の力や重心を分析、「バイトアイ」にて上下の歯の合わさる位置と面積をコンピューター解析して治療の計画を行います。
咬合の可視化によって、咬合器装着による模型分析、中心位評価も含め出来ることと出来ないことの線引きや、従来までの勘や経験に頼っていた部分を明確にすることができます。
当院の『総合診断による精密歯科治療』では、顕微鏡と口内細菌の培養検査、咬合の可視化により、悪くなった理由とその改善方法、そして十分な結果予測を持って最善の治療計画が可能です。
歯科ドック(口腔精密検査)の
各検査項目について

パノラマレントゲン1枚
お口の中の全体的なレントゲンになります。親知らずや大きく進行してしまっている歯周病、虫歯の大まかな評価を行います。

歯周病基本検査(28箇所)
1歯につき1箇所の歯周病の進行具合の把握を行います。

口腔内写真5枚
お口の中を記録します。

虫歯検査(視診・パノラマ)
お口の中を観察し虫歯の有無を判定します。
※保険適用の検査項目は症状により変更されます。

精密レントゲン(12枚〜)
1歯ずつの虫歯、歯髄、骨の溶けている具合、詰め物の適合の評価などが可能になります。

歯周病精密検査(168箇所)
1歯につき6箇所ずつの歯周病の評価を行います。

口腔内写真(11枚~)
お口の記録を細かくすることにより、磨き残し、噛み合わせ、歯並び、見た目、虫歯などの評価が可能になります。

虫歯検査(視診・精密レントゲン)
精密レントゲンにより虫歯の検出率が上がります。

模型検査
歯ぎしりや歯並びなどの検査を行います。

噛み合わせ検査
現在の噛み合わせを記録し、将来起こるであろう問題点の検査を行います。

バイトアイ
咬合接触状態を解析し、可視化・数値化する歯接触分析装置。

デンタルプレスケール2
咬合力を可視化し、客観的に把握することができる咬合力分析システムです。

グルコセンサー
グミを20秒間咀嚼して得られたろ液をこの機器で測定することで咀嚼能力をわずか6秒で数値化します。

顎関節検査

審美検査
前歯の軸、見え方、色、唇、顔貌との関係を評価します。

CT検査(必要に応じて)
3次元的に評価が必要なものに関してはCT撮影を行います。

口腔がん検査(バイオスクリーン)
口腔がん検査機器バイオスクリーンは2009年に米国で販売が開始され、医療機器としての許可を受けている口腔内観察装置です。口腔がん専用のスクリーニング装置として米国で高いシェアを獲得しています。

唾液検査
唾液検査による、虫歯リスク/歯周病リスクを測定します。一般的な検査キットと異なり、わずか5分で測定結果が出ます。資料にして患者さんにお渡ししています。

唾液検査
デントカルトの唾液検査です。より精密な口腔内情報を得る際に利用します。

口腔細菌検出装置
お口の中にいるP.g.菌を検出する装置になります。P.g.菌とは、歯周病菌の中でも特に悪影響を与えるとされている細菌になります。わずか45分でこの細菌が存在するか否かを検査することができます。

アミラーゼテスト
唾液を摂取し計測器で測定することで、ストレス度合いをチェックすることができます。

発音検査
口腔機能の状態を確認するため、発音検査を実施します。

カンジダ検査
お口の中がカンジダ症になると、ただれや痛み、口内炎などが生じます。この状態で入れ歯の型取り等を行うと、その精度が落ちるため、当院ではカンジダ検査を行い、問題がある場合はそれを改善してから入れ歯制作を開始します。

バナペリオ
歯肉縁下の4箇所の部位から歯垢を採取して、歯周病原菌の有無を調べる検査です。

サクソンテスト
唾液量を測定する検査です。ガーゼを2分間噛んだ後のガーゼの重量を計り、その差を唾液分泌量とします。

中心位について
当院では精密検査時に中心位採得も行なっています。中心位とは歯の位置とは関係ない、顎関節の位置になります。
歯の位置と顎関節の回転軸に大きなズレがあると顎関節や歯、筋肉に大きな応力がかかり、顎関節や歯、筋肉を破壊する原因となります。
そのため、中心位を取ることにより、現在、顎の関節と歯の関係がどうなっているのか、治療中や治療後起こりうるリスク、今後の歯の喪失の予防の方法などをある程度術前に把握することが可能になります。
歯科ドック(口腔精密検査)の流れ
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初診インタビュー・応急処置(60分)
初めに、患者様のお話を伺い、簡単な検査を行います。気になることや症状がある際はお気軽にお伝えください。また、このようにしたいというご要望なども遠慮なくお話しいただければと思います。
<応急処置は保険適応可能です>
強い痛みや腫れがある場合などは、症状を緩和する応急的な処置を優先いたします。応急処置は基本的に保険適応可能です。
(4,000~5,000円程度) -
検査(120分)
お口の状態に合わせて、上記でご紹介した各種検査を行います。
この検査により、ご自身でも気づいていない問題、もしくは将来的なリスクにつながることも検出できます。 -
検査結果説明(60分)
検査結果を様々な資料を利用しながら、ご説明します。問題がある部分、もしくは将来的なリスクになる恐れがある部分も詳細にお伝えします。
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治療計画・お見積りのご説明(60分)
治療方法、治療費などをご説明します。
処置を行うかどうかは患者様ご自身の判断にお任せしておりますので、ご安心ください。 -
治療開始
当院の治療方針、治療計画にご納得いただけましたら、治療の開始となります。
歯科ドック(口腔精密検査)では、患者様のお口の状態、症状、ご希望等に合わせて最適な検査を行なってまいります。「よく分からないけど虫歯ができやすい」、「昔より食事がしにくい」、「歯周病と言われているが原因や改善方法が分からない」などのお悩みがある方も、一度お気軽に当院へご相談ください。